第6章 新たな世界

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第6章 新たな世界

暗闇が夕日に変わり あの痛みからも、完全に解放された。 しかし そこには、生気を失ってしまった 大切な人達が、喪服姿で佇んでいる。 その哀しげな表情を見て理解した。 「俺は、死んでしまったのだ。」と。 その瞬間だった。 コールの音が聞こえる。 視界が一面、白い景色に変わる 良く見ると どうやら部屋の天井みたいだ。 「ん...。」 身動きが一切取れない。 どうやら、両手、両足が縛られていた。 視界がぼやけている。 目を細め、良く見てみると 両腕に沢山のアザが見える。 俺は白いベッドの上で 固定されている状態だったのだ。 何が何だか分からない。 無理矢理頭を上げようとした。 すると、向こうから 「わー、おいおい、 ちょっと待ったー。」 知らない女の人が走って来た。 その時、視界にはカーテンで仕切られた、 広くて、白い部屋が映った。 良く見るとナースの様だった。 「動いちゃだめよ」 その看護師さんは 急いでナースコールを押した。 「誰か、先生を」 ここは何処なのか。 本当に理解ができなかった。 少しづつ意識がハッキリして来た。 鳴り止まない機会の音、 良く見るとマスクをした 何人もの看護師達が 少し慌ただしそうに動き回っていた。 ぼんやりした視界の中で 鳴り止まないコールと 微かに聞こえてくる 悲鳴のような叫び 少しづつだが、理解した。 ここが俺の新たな世界。 第二の人生の始まりだった事を。
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