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第8章 闘病の日々
看護師さんが話してくれた。
俺が目覚められた事は奇跡だったと言う。
かなり危なかった事を知った。
そんな事ですら遠い昔のようで
もう家に帰宅出来るのだと思った。
しかし病気と言うのは、
そんなに甘い物ではなかった。
更に知った。
俺は小脳と言う部分が
ガンに犯されていた為に、
小脳を全て摘出したらしい。
頭にはぐるぐるに包帯が巻かれている状態だった。
後日、母親にも聞く事が出来た。
ガンが進行する段階での合併症により
脳に水が溜まる水頭症を引き起こし、
たまたま優秀な脳外科の先生が
その夜ここの病院で同じ患者の手術をし、
丁度、帰る所に俺が病院に運ばれ
その後、すぐに俺の緊急手術を
してくれたと言う。
もしこの偶然が無かったら、
俺の命は無かったと聞いた。
それでも手術は1秒を争う
危ない状態だった事を。
そんな大変な手術後の経過や、
まだまだ余談を許されなかった俺は
集中治療室での生活を
余儀なくされていたのだ。
集中治療室には
だれかと話せる携帯はもちろん
TV、本も(本は手術の後遺症の為)
基本は誰かと話す事さえない
真っ白な世界だった。
更に全身を固定されていた為、
白い天井を眺めるだけの一日が始まった。
周りは皆殆どが急患の患者ばかりだった。
俺も余談は許されない状態だと言うのか。。
俺がこれから話す話は
少し大袈裟に感じるかもしれない。
しかし、俺自身の意識がしっかりしていたので、若かった俺には想像を絶する状況だった。
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