第8章 闘病の日々

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それは毎日、 消灯時間を過ぎてから始まった。 俺は目を瞑り眠りにつこうとした。 すると5分後、看護師さんが 俺の瞼を指で開き、ライトでしばらく 俺の眼球を照らし始めるのだ。 これが5分~10分置きにやって来て早朝まで続いた。 これにより俺にも眠る事は許され無かった。というか、俺もこの場所にいる以上、予断は許されないと言う事か。 今考えると集中治療室の看護師さん達は凄いと思う。 ほぼ一睡も出来なかった。 そしてこの日を境に、 俺の長い一日がスタートする事になる。 手術後、昏睡状態により 3日間ずっと目を覚ませなかったので、 全然眠くは無かった。 しかし俺は別の自体に 悩まされる事になるのだ。 一日は眠る時間を含めて24時間ある。 それが人間のサイクルだ。 しかしここではそれが通用しない事。 まず、さっき話したように何もない環境と 後遺症により本も読めない 更に固定されてるとなると 一日本当にする事がない。 身体が固定されている俺の選択肢は 24時間ずっと白い天井を 眺めてるだけなのだ。 最近になって特に感じる。 時間は本当にあっと言う間にすぎる。 年齢を重ねると特に感じる。 しかしそれがないのだ。 時間が全然経ってくれない。 前回の章のタイトルが「止まった時間」 となっていたが、まさにこの章こそ そのタイトルがふさわしいくらい 時間が止まっていた気がした。
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