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それは毎日、
消灯時間を過ぎてから始まった。
俺は目を瞑り眠りにつこうとした。
すると5分後、看護師さんが
俺の瞼を指で開き、ライトでしばらく
俺の眼球を照らし始めるのだ。
これが5分~10分置きにやって来て早朝まで続いた。
これにより俺にも眠る事は許され無かった。というか、俺もこの場所にいる以上、予断は許されないと言う事か。
今考えると集中治療室の看護師さん達は凄いと思う。
ほぼ一睡も出来なかった。
そしてこの日を境に、
俺の長い一日がスタートする事になる。
手術後、昏睡状態により
3日間ずっと目を覚ませなかったので、
全然眠くは無かった。
しかし俺は別の自体に
悩まされる事になるのだ。
一日は眠る時間を含めて24時間ある。
それが人間のサイクルだ。
しかしここではそれが通用しない事。
まず、さっき話したように何もない環境と
後遺症により本も読めない
更に固定されてるとなると
一日本当にする事がない。
身体が固定されている俺の選択肢は
24時間ずっと白い天井を
眺めてるだけなのだ。
最近になって特に感じる。
時間は本当にあっと言う間にすぎる。
年齢を重ねると特に感じる。
しかしそれがないのだ。
時間が全然経ってくれない。
前回の章のタイトルが「止まった時間」
となっていたが、まさにこの章こそ
そのタイトルがふさわしいくらい
時間が止まっていた気がした。
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