第8章 闘病の日々

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お互いに精一杯、少し冗談を交わして すぐに面会時間が終わった。 別れる時は笑顔だった気がする。 精一杯。 その後日、二人の涙の理由は それだけじゃない事が分かった。 その日一回目の抜糸(ばっし)が行われた。 俺はここで初めて寝たきりの姿勢を ベッドを上げるのでは無く、 看護師さんに支えて貰いながら かなり久しぶりに自分の腰を上げた状態で座った。 一気に身体中に酸素が回る感じ。 あの時の解放感は本当に凄かったな。 そして先生が頭の包帯を外し出した。 大量の包帯でガチガチに固定されていた為、包帯を外すだけでもかなり時間が掛かる。 実はずっと耳が痛くて、しかしあの頭痛と比べたらと我慢していたが、 包帯が取れて痛みの原因が分かった。 ガチガチに固定されて、耳が完全に折れて、どうやら出血してるみたいだ。 それは痛いわけで。 そしてある事が判明した。 俺の頭には、脳に溜まった水を 流す為のくだが通っていた。 大手術だった割にはかなり水が綺麗だそうだ。先生には若さかな?と言われた。 そしてもう一つ。 俺はここに来て、頭の固定で 首が回らなかった為に、 天井か正面しか見られなかった。 初めてベッドの後ろを見ると、 沢山の機械達が、俺の心拍数や、 数値を測定してしていた。
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