第2章 不思議な事

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その次の日の朝だった。 朝から頭の右側が痛い。 軽い頭痛だった。 俺は家にあった頭痛薬を飲んだ。 しかしその日は1日中、 右側の軽い痛みは 収まる事がなかった。 次の日もまた右側だけ軽い痛みがあり 頭痛薬を飲んだが全然効かない。 明日になっても続くようだったら病院に行こう。ちゃんとした薬を貰おうと思った。 次の日やはり、 右側だけの軽い頭痛があった。 元々痛みには我慢強い方だったから、 我慢出来る範囲内ではあったが 右側だけと言うのが違和感があり、 東京に来た時ら風邪を見てくれた近所の病院に相談しに行った。 病院で症状を話すとCT(X線での脳の撮影)を撮りましょうと言われる。 約30分のCT撮影を終え 検査ベッドから起き上がろうとすると 突然看護師さんに 車椅子に乗るようにと言われた。 少し戸惑ったが、状況が把握出来ないまま その後、診察室へ向かうと 最初脳の一部に軽い出血の様な点があり 脳梗塞の疑いが見られたが、 詳しく見るとその心配は無さそうだ。 びっくりさせてごめんね。 もしも頭痛が続くようなら 2週間後に詳しい検査をしましょうと 診断を受けた。 俺は一先ず安心した。 しかし、それから3日、4日と経っても その右側の軽い頭痛状態は続いていて、 次第にそれが当たり前な事になった。 しかしその頃くらいから 全身の倦怠感を感じ始め その日はバイトを休み、一日布団の上で 身動きを取らないようになっていた。 その日から不思議な事が起こるようになる たまたまテレビをつけると 脳腫瘍の特集番組がやっていた。 別のチャンネルを回すと 昔から大好きだった Michael Jacksonの曲に乗せ、 脳腫瘍の少年に送る ドキュメントビデオが流れた。 思い返してみると、 俺が病院で脳梗塞を疑われたその日に、 休みだった弟が家で 脳腫瘍が題材になってるドラマがやっていて、それが凄く可哀想だったと話していた事を思い出した。 確かその日も脳が関係していたからタイミング的に、印象が強かったかもしれない。 それから数日間は たまたま見るTV番組や 漫画雑誌などでも 「脳腫瘍」と言うフレーズを 度々見かけるようになり その中で起こる症状が 自分が前から起きている症状と 重なる部分があり もしかしたら、俺脳腫瘍なのかと 思わされるようになる。 自分が求めるよりも先に、 まるで俺に気づかせているような そんな気さえしたのを覚えている。 そして、あの日が訪れる。
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