私の気持ち

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良かった。 気分が回復してくれたみたいだ。 知り合ったばかりで親友と言われるのはちょっと戸惑っちゃうけど、きっとそれだけ頼りに思ってくれているって事だよね。 ヒロは私がいなくなったら1人になってしまう。 独りぼっちは辛すぎる。 次の日、登校すると校門でヒロが待っていた。 「ヒロ。おはよう」 「あ、お、おはよう」 「私を待っててくれたの?」 「う、うん」 きっと1人で教室に入りたくないんだな。 「じゃあ一緒に行こうか」 一緒に歩いていると、ヒロは自分のカバンに下げているストラップを、見て欲しそうに触っている。 「それ、何?」 「恋スタのヒロでしょ」 「恋スタ?ヒロ?同じ名前だね」 「えへへ」 ヒロは恥ずかしそうに笑った。 「加奈はヒロ派?アキ派?」 「え?恋スタって知らないから。アニメ?」 「ええ?恋スタ知らないの?神アニメだよ!」 ヒロは、恋スタがいかに素晴らしいアニメか、ヒロがどれほど魅力的かを捲し立てる。 クラスの皆も全員好きという話だが、アニメをあまり見ない加奈には何を言っているのかよく理解出来ない。 「うんうん。そうなんだ」 と相槌を打つのが精一杯だ。 教室に入ると、数人の生徒の中、松田理恵と高橋美月がいるのが見える。 松田理恵の机の上には、アニメキャラのクリアファイルが置いてあった。 加奈は近づいて声を掛ける。 「ねえ、松田さん」 「あ、八代さん。おはよう」 「おはよう。このクリアファイルって、恋スタ?」 「違うよ~。これは槍らぶのキャラだよ」 「槍らぶ?」 「うーん、簡単に説明すると、槍をイケメンに擬人化したゲーム」 「ええー?槍がイケメン?ゲームなの?」 「そうそう。みんなイケメンで、戦うよりも集めて眺めるのが目的」 「私もやってるよ」 一緒にいた高橋美月も話に交じる。 「そうなんだ。やっぱりお気に入りのキャラとかいるの?」 「私はね~。あ…理恵」 「え?あ…もし気になったらやってみて」 2人は加奈の後ろの何かに気付いて、よそよそしく席を立った。 また結衣かと後ろを振り返ると、ヒロが自分の席で、泣きそうな顔をして睨んでいる。 「どうしたの?」 ヒロの席へ行って問いかける。
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