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―――――加奈の気持ち―――――
「いい加減にしろよテメー!またやってんのか!昨日の朝の事も聞いたぞ。夜もどーせ理恵の時みたいに、自殺するって言って放置したんだろ」
結衣がヒロを一喝した。
「またアンタ?私が誰かと仲良くしてると引き裂きに来て!理恵だって加奈だって私の事を傷つけたから懲らしめてあげたんでしょ!私は理恵とも加奈とも仲良くやってたのにアンタが私を悪者にして誰も私の気持ちなんて考えてくれない私は全然悪くないのに私を傷つける加奈が悪いのに…」
「…懲らしめて」
ヒロの言葉が頭の中でぐるぐると回った。
「私の気持ちなんて誰も考えてくれない私ばかり嫌な思いをして私ばかり我慢して私ばかり責められて私は全然悪くないのに加奈が私の気持ちを考えてくれれば私が嫌な思いをしなくてすむのに…」
ドン!ガタタッ!
加奈に両肩を押されたヒロが椅子ごと倒れた。
「私、私、うるせーんだよ!私の気持ちを考えてねーのはお前だろ!」
「か、加奈…私親友だよ?私全然悪くないのに私傷ついたよ」
「知らねーよ!お前なんか親友じゃねーよ!ウゼーから近づくな!」
大声で叫ぶと、結衣と理恵と美月の3人が間に入って守ってくれた。
他のクラスメイトは私達が見えていないかのように振る舞っている。
女子は関わり合いになるのが怖くて、男子は女子の揉め事なんて関係ない。
見て見ぬふりをする理由はいくらでもある。
私にはその理由が、やっと理解出来た。
私は親友が1人減り、友達が3人増えた。
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