私の気持ち

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放課後、廊下に出ると、イジメをしていた取り巻きの2人が近寄ってきた。 「八代さん。ちょっといいかな…」 「なに?何か用?」 「ち、違うの。別に言い争いとかしたいわけじゃなくて…ねえ」 「う、うん…」 加奈の棘のある言い方に動揺する2人。 「あの、私は松田理恵」 「私は高橋美月」 「そう。勘違いしてキツイ言い方をしてゴメンね」 「ううん、良いの。でね、その…」 「あの子に、あんまり優しくしない方が良いよ」 「どうして?あの結衣って子にそう言えって言われたの?」 「違うよ。私達、八代さんの為を思って…」 「あんた達!何してんの!」 呼ぶ声に振り向くと、結衣がカバンを持った手を肩にかけて立っていた。 「あ、結衣。今行く」 「じゃあ、八代さん。気を付けてね」 2人は軽く手を挙げ小走りに去って行く。 「う、うん。ありがと」 加奈も手を挙げて応え、3人が去って行く姿を見守った。 あの2人、悪い子には見えなかったけど、無理やりイジメに参加させられているのかな? だとすると、あの結衣って子が問題なんだ。 帰宅のバスの中、メッセージが届いた。 『どこにいるの?一緒に帰りたい。捜してるんだよ』 ヒロからだった。 『今○○町行きのバスの中だよ。方向一緒だった?』 返信すると、またすぐに返事が届く。 『私誰からも嫌われてるから誰も私と一緒に帰りたいなんて思わないよね』 『そんな事ないよ。明日は一緒に帰ろう』 そう送った後、返事はなかった。 夜、入浴して部屋に戻ると、スマホの通知ランプが光っていた。 ヒロからのメッセージだった。 件数は12件。 「お風呂に入っている間にこんなに?」 メッセージを開くと 『やっぱり私って誰からも嫌われてるよね』 『私は辛い時にいつも1人なんだ』 『こんな私なんて無視されて当然だよね』 『見てもくれないんだね』 どれも傷ついている内容だった。 今までずっとイジメられて、どれだけ不安だったのだろう。 たった1人の味方である私が気にかけてあげなくちゃいけないのに、すぐに返事をしてあげられなかった。 『今までお風呂に入ってたんだ。すぐに返事出来なくてゴメンね』 そう返事をすると、すぐに返信が帰ってきた。 『また1人になっちゃったのかなってすごく不安だった』 『もう1人になんてさせないよ。安心してね』 『ありがとう。ずっと親友でいようね』
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