私の気持ち

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「私がいるのにどうして私よりあの2人と楽しそうにお喋りするの?」 「あ…」 そうだ。 あのクリアファイルを見て、もしヒロと同じ恋スタ好きなら、それをきっかけにあの2人とヒロを仲直りさせてあげられると思ったけど、ヒロからすれば、あの2人は昨日まで自分をイジメていた人なんだ。 仲良くなんてしたくないに決まっている。 私はバカだ。 ヒロの為なんて言いながら、ヒロの気持ちも考えられない。 あの2人にしたって、昨日までイジメていた人とどんな顔をして会話が出来るの? そんな事も分からないなんて。 余計な事をしてヒロとあの2人を傷つけてしまった。 なんとか機嫌を直して貰う方法は無いかな? 「ねえヒロ。恋スタってレンタルである?」 「観たい?観たいの?レンタルに置いてあるよ」 「ホント?じゃあ帰りに借りてみようかな」 「私も本当はブルーレイが欲しいんだけど高くて買えないから放送したのを撮りためて我慢してるんだけどブルーレイ版で修正している個所が…」 嬉しそうに語り始めるヒロ。 何を言っているのかよく分からないけれど、機嫌が直ったみたいで良かった。 それから少しすると結衣も登校して来る。 加奈とヒロを一瞥すると、特に何を言うでもなく、笑顔で松田理恵と高橋美月に挨拶して、クラスの声の波に紛れて行った。 その日はそれとなく結衣を観察してみたが、少し言葉のキツイ所はあるけれども、特に攻撃的な態度を他の人にするでもなく、他のグループの女子とも笑顔で接している。 加奈は少し安心した。 私がヒロを守った事で、他の人がターゲットになるんじゃないかと心配したけど、イジメを出来ない事にストレスを感じてる風には見えない。 そうだよね。イジメなんて、好きでやっている人なんているわけがない。 何かのきっかけがあれば、簡単にやめる事が出来るに決まっている。
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