第1章

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「私は未来から来たの」 コーヒーを噴き出しそうになる。 なるほど。 実際にこんなことを言われると、どうしたら良いのかがわからないものだ。 困惑とはこのことをいうのだろう。 さて、どうしたものか。 「ほんとのことなの」 しばらく様子を見ることにした。 だが我ながら恥ずかしい。 良く考えればおかしいことはわかってたはずだ。 こんな美少女と呼べるような子からナンパなんてされるはずがない。 「ちょっとお茶しませんか」 そんな言葉で声を掛けられて、浮かれていたんだろう。 いや浮かれてたのはもっと前からか。 まぁ、以前から狙っていた限定の靴を手に入れ、 その靴を初めて履いて外に出た日に声を掛けられたら、騙されるのも仕方ないというものだ。 うっかり、しっかり、席についておいしいコーヒーを飲んでしまってる。 それに料理まで頼んでしまった。お茶どころではない。 「今日、ある人が殺されるの」   さすが未来人である、言うことが違う。 だがこの展開は、殺されるのはおそらく 「あなたではないわ」 え、俺じゃないんですか。 残念なような、残念じゃないような。 じゃあなんで俺に声を掛けたのだろう。 まさか 「あなたが犯人でもないわ」 それも違うんですか。 きっと今俺は世界で一番混乱しているに違いない。
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