第1章

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「過去は変えられない。」 だから犯人や被疑者と接触しても無駄だということだ。 美少女の口からこんな言葉聞くとは中々風情があるものだ。 いよいよ本物の未来人かもしれない。 「もうすぐ起きるはず」 え、なにがですか。 と思った矢先に、金を出せ!、と怒鳴り声が店内に響く。 強盗?こんな店で? 不幸にも俺たちの席はレジすぐ近くだ。 そんなことを思っていたらまたもや声が響く 「やめて!!!」 強盗に男が一人立ち向かっている。 どうやら声の主はその彼女らしい。 強盗は俺に背を向け、その男とけん制し合っている。 強盗は18センチくらいのナイフを持っているが 男もまたステーキナイフを持っているからだろう。 これは助けられるんじゃないか、と俺は強盗にばれないように後ろに立つ しかしだ、さすがに躊躇してしまう。 いくら相手が背を向けているからといって、相手はナイフを持っている。 相手が力が強かったらどうするのだ。 反対に刺されるかもしれない。 俺もナイフがあればいいのだが、残念ながら見当たらない。 ふと気になって、未来から来たらしい美少女を見る。 そうか、”過去は変えられない” 誰かが死ぬのは決まっている。 そして、俺は死なない。 よし、と足に力を入れる。 いやまてよ、美少女が嘘をついている可能性もある。 声が響いたのは、足の力を抜いた瞬間だった。
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