挑戦の章 第5部

2/2
前へ
/153ページ
次へ
 細流は感心してモニタを見ていた。 あの2人が、こんなにも早く天板を開けられるとは思っていなかった。 どうやら、あの市之瀬和也という男は、情報学だけでなく、ギリシア神話にも長けているらしい。 ただしそのどちらも、細流には遠く及ばなかった。 「次はイカロスです。 イカロスは何を使って太陽に向かって飛び、そしてその結果どうなったでしょう」 細流は橘利之が横たわるベッドの横で、モニタに向かいそう言った。 その音声が利奈達に届くことはない。 しかしモニタの中で、和也はハンダごてを握っていた。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加