ひとめぼれ

2/4
前へ
/4ページ
次へ
  「開けてみて。」 「あ、......うん。」 優也に促されて、箱をあける。 と、そのなかには大好きなショートケーキが3つ。 はて。今日誰か来る予定でもあったっけ? 「優也、これ」 「まりなに。今日はまりなに二つ買ってきたんだ。いつもご飯つくってもらってるし。......といっても、ただのケーキなんだけど。」 そう言って照れたように笑う彼の可愛いこと。 これ以上、私を惚れさせてどうしようというんだろう。 もう彼から離れられない。 けど、 「えっと、優也? ごめんね。私これから一回、家に帰らなきゃいけなくて。このケーキほんとにありがと。冷蔵庫に入れといても」 「だめ。」 「え......?」 いま、なんて。 「冷蔵庫にはいれないで。俺、ケーキ嫌いだし。」 「ぇぁ、ゆうっ、」 突然、怒り始めた優也に思ったように声がだせない。 なに、どうしたの。 そう言いたいのに、怖い、こわい。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加