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土手の上の道まで出ると広い川が下に見えて、河川敷はサイクリングができるようにアスファルトが敷かれていた。
向こう岸もきれいに整備されているようだ。
紘斗は土手の階段をおりかけてすぐ草むらに入った。
高架橋の傍まで行くと、ちょうど日影になったところで紘斗は草の上に腰をおろした。
暦上、残暑というとおり、まだ太陽は力を見せつけたがっているようで、日影でなければこんがり焼けそうだ。
川から吹きあげてくる風が、暑さを紛らせてくれて少しだけ心地いい。
「お菓子出して、その紙を敷けばいい」
日傘を畳んでちょっとためらっていると、紘斗はそう云って手を差しだした。
紘斗の手のひらにお菓子をこぼしてから、姫良は草の上に習字紙を置いてお尻をのせた。
スカートの上に飴や駄菓子が降ってくる。
飴を摘むと包みを開けた。
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