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「パパはわたしに片想いしてるって紘斗のパパが云うの」
「云い得て妙だな」
「紘斗のパパもね」
紘斗はあり得ないといったふうに笑うと、頭の後ろで手を組みながら草むらに横たわった。
「親父と何を話したんだ」
「秘密! っていうほどでもないけど。ただ、紘斗に悪かったって。甘えてるって云ってた」
しばらく紘斗は黙っていた。
昌紘が紘斗に直截に云ったことがないだろうことは想像がついていたけれど、姫良には打ち明けても、紘斗には云わないほうがよかったかもしれないと不安になる。
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