第11話 ずっと片想い

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姫良が福岡までやってきたのは観光のためではなく、紘斗が日帰りで盆帰省をするのについてきたのだ。 正確に云えば、紘斗が誘ってきた。 これから紘斗の祖母の家を訪ねる。 「だな。規模がちょっと違うくらいでそう変わるところはない」 「紘斗はどれくらいこっちにいたの?」 「中二から高校までちょうど五年だ」 姫良は何気なく、その頃の自分と比べてみた。 紘斗が十四歳になる年、姫良は八歳だ―― と考えると、あとは思いだそうとするまでもなく、即座に共通点を見いだして目を丸くする。 首を傾けて紘斗を覗きこんだ。
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