162人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「ほんと? 紘斗と似てたら緊張しそう」
「どういう意味だ」
「無口で喋らない」
紘斗は吹くように笑った。
「同じこと繰り返してる。喋らないのはそうかもしれないけど、貴刀社長より気さくだ」
紘斗がわざわざ一成のことを持ちだすということは、五月に会ったとき緊張していたようなことを云ったのは本心だったということか。
それとも、姫良をうまくリラックスさせる急所を握っているのか。
「あ、そっか。パパよりマシって思ったら気がラクかも」
能天気に気分を切り換えると、紘斗は可笑しそうにして片方だけ口角を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!