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『三番線、上り快速列車が通過します。白線の内側までお下がりください』
駅のアナウンスが告げた。
達彦は、列車の発車時刻が表示されている電光掲示板を見上げ、
「この次だね」
と何気なく声をだした。
快速列車が通過した後に、二人の乗る各駅停車がやって来る。
裕子は黙っていた。
右手側から、電車が走ってくる音が聞こえてきた。
顔を横に向けて達彦が音のほうに目をやると、快速列車が流れるような勢いでこちらへ近づいてくるのが見えた。同時に、列車の走行音が大きくなっていく。
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