第1章

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
お腹空いて....死にそう。 6時間前に食べてるから、こんな空腹では死ぬ事は無いだろうが。 取り敢えず何か食べ物を探そう。 此処は付き合って一ヶ月になる彼氏の家。 優しい彼氏は仕事があると言って出て行ったきり。 帰って来ない.... 彼氏のアパートを持ってない私は、コンビニすら行けずに此処を動けずにいた。 冷蔵庫にはミネラルウォーターとビール.... それと小さな箱を開けたらケーキだった。 ケーキ食べちゃお!優しい悟史さんなら、勝手に食べても怒らないだろう。 キッチンの引き出しからフォークを取り出し、イチゴのケーキを食べた。 “ガチャ” 食べ終わって、お腹が満たされた時だった。 悟史さんが帰ってきた。 「遅くなってごめん」 愛しいその笑顔が.... テーブルを見た途端....目の色が変わった。 「あゆ、そのケーキ食べたのか!」 始めて聞いた怒り口調。 「うん....お腹空いて....」 「それは、俺が3時間も並んで買った有名なパティシエが作ったケーキなんだぞ!凄い楽しみにしてたんだぞ!どうしてくれるんだ!」 顔は怒りに満ちていて、私は「ごめんなさい」と謝るしかなかった。 悟史の怒りは沈まず、私は逃げるように悟史さんのアパートを出た。 「食べ物の恨みは怖いな」 私は有名パティシエのケーキ屋へ向かった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!