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お腹空いて....死にそう。
6時間前に食べてるから、こんな空腹では死ぬ事は無いだろうが。
取り敢えず何か食べ物を探そう。
此処は付き合って一ヶ月になる彼氏の家。
優しい彼氏は仕事があると言って出て行ったきり。
帰って来ない....
彼氏のアパートを持ってない私は、コンビニすら行けずに此処を動けずにいた。
冷蔵庫にはミネラルウォーターとビール....
それと小さな箱を開けたらケーキだった。
ケーキ食べちゃお!優しい悟史さんなら、勝手に食べても怒らないだろう。
キッチンの引き出しからフォークを取り出し、イチゴのケーキを食べた。
“ガチャ”
食べ終わって、お腹が満たされた時だった。
悟史さんが帰ってきた。
「遅くなってごめん」
愛しいその笑顔が....
テーブルを見た途端....目の色が変わった。
「あゆ、そのケーキ食べたのか!」
始めて聞いた怒り口調。
「うん....お腹空いて....」
「それは、俺が3時間も並んで買った有名なパティシエが作ったケーキなんだぞ!凄い楽しみにしてたんだぞ!どうしてくれるんだ!」
顔は怒りに満ちていて、私は「ごめんなさい」と謝るしかなかった。
悟史の怒りは沈まず、私は逃げるように悟史さんのアパートを出た。
「食べ物の恨みは怖いな」
私は有名パティシエのケーキ屋へ向かった。
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