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悪魔はスキンヘッドに両腕を絡ませてまたしても、部屋の前でキスをしていたのだ。
『び…ビックリするじゃないっ!愛し合うのは部屋に入ってからしたら?
それからあたしの手首を掴むのを止めてよ』
『フフッキスくらいで悲鳴をあげちゃって、まぁお礼キスを頬にするくらいで緊張するくらいだし』
『あたし緊張してなんか…』
『腕にかけた手に力が入っていたもの、緊張以外になにがあるの。
逃げずに見てなさい。
キスっていうのはねこうするのよ』
舞は逃げようとしたが相川はスキンヘッドとまたキスをし始めた。
廊下には2人のキスの合間の息づかいしか聞こえない。
そのうち舞から手を離してスキンヘッドの体に手を這わせる相川に、舞は何故か照れた。
『もう、もう知らない!
せっかく悪魔から克也に格上げしたのに悪魔は悪魔なんだわ!見せつけるなんて最っ低っ!』
舞はキャップ男から守ってくれたお礼だけはしたいとチョコレートを渡しに部屋を出たが、
見せつけキスを見せられて少しだけ動揺して手渡しでは渡したくなかった。
『手渡しなんかもったいない!ドアにかけておくわ!お邪魔しましたっ!
勝手にやったら良い!』
ドアにチョコレートが入った袋をかけ部屋に戻ろうとした。
『バレンタイン?困るわぁ(笑)あたし彼がいるもの』『誤解しないで下さい!
あなたにはバレンタインチョコなんてあげません!』舞は叫んだ事でハァハァと息をしていた。
『そんなに叫ばなくても聞こえるわ、荒い息ね。
ここら辺が苦しいの?』
『嫌ぁぁぁぁっ!このエロ悪魔っ!』
『掴めるくらい…やっぱりBの80か』
『離してよっ!』
悪魔は掴んだ舞の胸から仕方なく片手を離した。
『形は良いんだから』
『バカッ!大っ嫌い!
あんたなんかキャップ男と変わらない!』
舞はドアにかけたチョコを奪い、音をたててドアを閉め鍵をかけた。
『舞、ま~い。
チョコレート~』
ドア越しから聞こえる悪魔の声を遠ざけるように、舞はベッドルームへ行った。
知らない!
悪魔なんか知らない!
弁当も受け取ってやんない!
スキンヘッドとキスしていれば良いのよ!
舞は胸を掴まれたショックと、愛し合う様を見せつけられ動揺していた。
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