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意識的に河田を探すように店内を歩く姿は少し変だ。『こんばんは』
後ろからの挨拶に舞は『わぁっ』と声が出て、振り向いて赤くなる。
『最近よくきてくれてるんですね、俺もう少しであがりだから送っていきますよ』
『えっ、そんな』
1時間後には舞の住むマンションに河田は来ていて、エレベーター前で手を振って別れ歩きだす。
いつかのように道路に出て河田が見えなくなるまで眺めてた舞。
道路端に寄り青い車から相川が眺めていた事など知るよしもなく、舞は嬉しそうにマンションへと入っていく。
『あの男…』
舞は告白の事でいっぱいで次の日の朝寝坊していた。愛情弁当を持って定時に立つ相川は舞の部屋のチャイムを鳴らす。
『世話がやけるわね!合鍵作っておけば良かったかしら』
相川がそういうのも腕の中で眠った舞のバッグから、鍵を探し開けてベッドまで抱いていったからだ。
『舞!』
その時、301のドアが開き何事かと相川を見る住人に『すみません』と謝った。
ハンドルを握る相川はイライラと舞をみた。
『眠そうね』
『ん…眠れなくて』
『悩み事?』
『行きたくない合コンと、告白の事で』
『行きたくないなら合コンなんか行かなきゃいい。
告白?』
『んー…河田さんに告白する言葉を考えてて』
『わけわからないわ。合コンと告白と』
舞は寝不足の為にそんな質問にも無意識に答えていた。
『バッカじゃない。
そんな断る理由のついでに告白して、断られるのは目にみえてるわ』
『あっ…』
裏道をとうり勤務時間ギリギリにあさひコーポレーションに車を着けた。
『そんな顔してたら仕事なんか出来やしないわよ。
気付け薬をあげるわ』
相川は舞のあごに手をかけ頬にチュッとキスをする。悲鳴をあげ舞は相川の頬を叩いた。
『バカッ!』
『間に合わないわよ?行きなさい』
弁当を差し出す相川、受け取らず車から飛び出し走る舞。
『ギリギリだけど走ると転ぶわよ!』
受け取らなかった弁当を手に車から出て叫ぶ相川であった。
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