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コロッケ・スパゲッティセットをテーブルに置く舞をおもしろそうに眺める優香。
『何?そっちの豚肉生姜焼き定食と変えようか?』
『見たわよ、ギリギリに送ってきてもらってるのを。何か手にしてたけど赤い包みのアレって…』
今朝の?見られていた?
『お腹減ったって言ってたじゃない、早く食べよ』
『舞、実は今日もお弁当じゃなかったの?』
口に入れたコロッケがむせそうになり、あわてて水を飲み優香を制した。
『久しぶりに弁当以外のランチが食べられるのに話は後にして』
舞はその言葉が優香にヒントをあたえたらしく、
優香は時々三角目にしながらクスクス笑った。
お弁当はお母さんでもなく舞でもなく誰かが作っている事を、優香は直感する。『合コンなんか行ったらすごい顔で睨み付けそう、彼…』
『優香は断ったじゃない、彼って誰の事?誰の話?』『今はわからなくて良いわ、(舞の事だもの)混乱するだけだから』
“舞は一見しっかりしてそうで気持ち弱い面もあるから、青い車の彼が心配するのも良くわかる”
優香は赤いリボンをした舞を見てそう思った。
『今日の優香ってばあたしを見てはニヤニヤしちゃってさ、言いたい事あるなら言ってくれたら良いのに』無意識に中野西で降りた事に後で気づく舞。
顔だけ見て元気もらおう。優香みたいに徹くんって言えたらな。
いた!
1時間後マンションの廊下を歩いてると誰かとぶつかった。
『すみません、あっ』
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