《第2章・恋の味方!?》

6/30
前へ
/30ページ
次へ
『電話で聞いたけど告った後にメールきた?メアド交換したんでしょ?』 『ん…だけど待ってたけど電話もメールも来なかった、でもマンションまで送ってくれた後だから仕方ないかな、って』 『車?』 『ううん、彼は自転車だから送ってくれる時に2人共に歩いてる』 中野西から中野公園までは歩いて20分くらいで、国道沿いの為に車やバス・バイクの交通量は夜10時くらいまではあり街灯も間隔的にあった。 歩く分にはなんら支障はない。 『今どき車持ってないの?』 『良い車買いたいからお金貯めてるとかで、彼あたし達と同じ23歳なんだって』『彼、彼、彼。 告白するまでは河田さんだったのに、一晩で変わるもんなの?』 『優香だってあの頃はそうだったでしょ』 優香とは入社式で隣り合わせになり、同じ高校だった事がわかると先生や先輩の話題ですぐに意気投合した。 仕事も慣れてきた頃に優香から『好きな人がいる』と聞かされ同期で違う部署のメガネ男子に告ったのだった。 『優香も孝典くんだったのが孝典って呼び捨てだったわ、あたしと違わないよ』『(笑)そうね』 2人が日替わり定食を食べ終わった頃、イケイケ女がテーブルに手をついた。 『明日よ、わかってる?』『あたし彼がいるんで参加しません』 『この間は好きな人、今は彼?合コンが嫌で無理やり彼に仕立てあげたわけ?』 『違います!彼はちゃんとあたしの1人ごとを聞いてオッケーしてくれました!』 『ま、舞!』 椅子から立ちイケイケ女に向かって言った言葉は社員食堂全体に響き渡り、 優香があわてて舞を止めた。 “舞は無鉄砲なとこあるからあたしもこうやって仲裁に入るけど。 さぞかし青い車の彼も同じ気持ちからお世話を妬いてるんだわ” 優香はそう思い苦笑した。 『他に当たってみるけど人数合わせに参加で考えていて。明日お昼に返事をするから』 『待って!あたしは彼がいるのよ!』 イケイケ女は聞く耳持たずっていう感じで部屋を後にした。 舞はまわりの視線を感じて恥ずかしく肩をすくめる。『優香…』 『いつかあの女と張り合う時がくると思ってたわ。 行かなくていいわよ』 しかし優香の思うとうりには…。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加