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『眠そうね、今朝もギリギリに飛び込んできて。
来ないから心配するじゃない』
会社の前に着けてきた青い車を窓からバッチリ見ていた優香だったが、あえて言わずに。
ただお弁当を持っている舞を見て、青い車の彼が弁当の作り主だと直感した。
『何クスクス笑ってんの?何か付いてる?』
『ううん、舞は幸せものだと思って』
『幸せじゃないわ、彼からのメールが軽く思えちゃって。行くなって言ってくれたら合コンになんか行かないのに』
優香は河田のメールを見て首をかしげた。
社員食堂が混み始めた為にそれ以上言う事もなく、優香は鍋焼うどん・舞は弁当を食べ始めた。
店は利用している駅から歩いて10分、3階建の店舗は賑わう外と変わらないくらいざわざわと話声が聞こえる。
金曜の夜は特に利用客が多く、各階に6部屋ある個室へ入って行くグループ。
『みんな楽しそう、河田さんからは電話ないしメールも来ない。
あたしがデートしたいのは河田さんしかいないのに』壁に寄りかかりため息をつくと、部屋のドアが開きイケイケ女が舞を見た。
『来てるなら早く入りなさいよ、○○大のイケメン達1階から上がってくるってメール来たんだから』
行かないって言ったのに無理やりメンバーなんかにするから。
イケイケ女達は4人…会社でも派手なメークで目立っているが、合コンともなればメークに服にアクセと気合いが入っていた。
○○大の男子達はちょい悪からかわいいワンコ系まで集めたらしく、たしかに雑誌に出てくるような顔立ちだった。
イケイケ女達の服と比べてあたしの服はかわい過ぎたのかな?
女達はあたしを見て笑い、自分達がいかに大人な女かを自慢していた。
キャップをかぶり膝までのエプロンをした店員が皿をさげ、オーダーの品物を次から次へと置いていきジョッキの空を両手に6つ器用に持って下げていく。
またジョッキがくる。
会も進むとメアド交換した2ショットがコソコソと話始める。
『じゃあ解散って事で』
イケイケ女と意気投合した男子が手を繋いで合図。
帰って良いって事よね?
会計を済ませたメンバー達が店を出る。
あたしには誰も声かからなかったからホッとする。
タクシーか電車か?
11時か、考えちゃうな。
タクシーが来たから手をあげようとしたその時、手を捕まれた。
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