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三年前、わたしは事故に遭いかけた。
おつかいのフランスパンをいつものように買って帰る途中。
ついついぬこが枝から道路に降り立った時、危ないと思って助けようと思って駆け寄ったら、ぬこは一足飛びに道路の反対側に飛んで、わたしはトラックにまともにハネられ、かけた。
危なかった。
ホントに、九死に一生だった。
死んだと思ったわたしを、ぬこを威嚇した。
トラックに硬直したわたしは、威嚇したぬこを見て思わず――おんなじように、伏せてしまっていた。
そのまま太腿の筋肉が耐え切れず、べちゃとうつ伏せに、落ちた。
おかげでわたしはタイヤとタイヤの間でトラックを、やり過ごせた。
「にゃー」
下校途中、わたしは鳴く。
ぬこに会いたい。
あれ以来、わたしはあまり長く喋れなくなった。
トラウマだとみんなは言う。
だけど、あの瞬間わたしはすごくわかったことがあった。
だけどうまく言葉にできない。
出来る日が来るかわからない。
でも、感じれてるモノはある。
あの日わたしに威嚇したぬこに、わたしはなってみたい。
理由は必要ないと思う、今のわたしは。
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