第1章

2/7
前へ
/7ページ
次へ
■ 「良いからお前は黙ってろ!!」 声を荒げたこともない夫が、私に向かってそう言った。 それは私を芯から打つのには充分過ぎるほどで、叫びを封じた。 パニックが収まりゆくなか、額に流れる一筋の。 ああ、これ、 血だ。 こめかみがズクンズクンと痛む。 これだけは守ろうと手を伸ばした。 どうしてこんなことに なってしまったんだろう
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加