第1章

5/7
前へ
/7ページ
次へ
■ 次に意識が覚醒したのは、横からの衝撃を感じたからだ。 チャイルドシートに覆い被さる。 さとしは泣いていた。 車が、大きく揺れて、 荷物が天井にぶつかった。 何よこれ!! 叫んでいたのか さとしの名を呼んでいたのか 車が斜面を落ちて、木を薙ぎ倒すのがわかる。 車が止まった時、 闇のなかだった。 シートベルトが外れない。 後部座席は斜めだったけどチャイルドシートは無事のようだ。 さとしも、ひっくひっくとしゃくりあげてるけど、大丈夫そう。 私は、さとしが無事だとほっとする一方で、旦那を責めた。 目が慣れてきて運転席は見えたけれど、車内は狭くなっていて旦那の肩しか見えない。 ああ、とか、うう。 しか言わない旦那。 「もう、アンタのせいなんだからなんとかしてよ!」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加