第1章

10/15
前へ
/15ページ
次へ
“いつもナオヒロの呟きに対して、彼女面していちいち返信してくるストーカー女居たじゃん?” “ハハハ” “前にキャリーちゃんと噂があった時も大変だったんだろ? 「私という彼女が居ながらどうして~」とか「この裏切り者のゲス野郎~」とかさあ” “いや、あの時はマジ大変でした。最近はおとなしい方っすけど” “怖いよな~、ああいうカン違い女は” “ですね” 誰の事を言っているのかわからない。 はっきりしているのは、ナオヒロさんの彼女は私だっていうこと。 なのに、どうしてこんなことになっているのか。 直接、訊かなきゃわからない。 私はイヤホンを外して立ち上がり、財布とスマホだけ持って部屋を飛び出した。 それから、自転車に乗って近くの駅まで走った。 番組の放送終了まで、まだ時間はある。 私はスマホでラジオの続きを視聴しながら、電車でラジオの放送局のある駅まで向かった。 キャリーと私のナオヒロさんが結婚だなんて……。 あの女に脅されているに違いない。 キャリーが妊娠したっていうのも嘘だ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加