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「ナオヒロしゃん、待って……!」
カレは背中を向けて、マネージャーの運転する車に乗り込んだ。
私は数人の警備員に取り押さえられて、身動きが出来ない。
「待って! お前ら、離せよ畜生がッ!」
カレを乗せた車が走り出す。
私は地べたに這いつくばらされながら、車が消えるまで目で追った。
カレは嘘を吐いている。
私の身を案じて、態度をわざと豹変させたんだ。
結婚をするためなら、何をするかわからない危険なあの女から遠ざけるために……!
やっぱり、カレは優しい人。
私の愛する優しいナオヒロしゃん。
愛するカレを私から奪おうとするヤツは、誰だろうと絶対に許さない。
絶対に……!!
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