第1章

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「ナオヒロしゃん、待って……!」 カレは背中を向けて、マネージャーの運転する車に乗り込んだ。 私は数人の警備員に取り押さえられて、身動きが出来ない。 「待って! お前ら、離せよ畜生がッ!」 カレを乗せた車が走り出す。 私は地べたに這いつくばらされながら、車が消えるまで目で追った。 カレは嘘を吐いている。 私の身を案じて、態度をわざと豹変させたんだ。 結婚をするためなら、何をするかわからない危険なあの女から遠ざけるために……! やっぱり、カレは優しい人。 私の愛する優しいナオヒロしゃん。 愛するカレを私から奪おうとするヤツは、誰だろうと絶対に許さない。 絶対に……!!
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