同期だから

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「佐伯先輩にとっては不本意な異動だったはずなのに、そんなことは微塵にも感じさせない完璧な仕事振りでさ。広報では1年先輩になるのに、その1年で俺は何をやっていたんだろうって自信をなくしたよ」 宮本課長も言ってた。 『佐伯のスゴいところは営業力だけじゃないから、広報部でも期待以上の成果を上げたらしい』って…。 「それで俺も先輩に負けないようにやってやるって、対抗意識燃やすようになったんだ。そうするうちに少しずつ自信が持てるようになってきた。実力ではまだまだ先輩には敵わないけど」 迫田さんも佐伯主任に触発されて、仕事に対するモチベーションが上がったってことかな。 私だってそうだもんね。 「そんな先輩が今度は俺が元々希望していたラーセクに行っちゃったから、かなり羨ましかったよ。でも俺には広報の仕事が意外と向いてるって思えるようになってきたから、もう少し広報で頑張るつもりだけどね」
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