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そうして僕らはまた笑う。こんなに、昨日もそうだが笑ったのは久々で。それを思うと、少しだけ泣きそうな気分にかられる。 ……だからだろうか、周りに気を取られるようになったのは。 ディナー時なのか、席に着く人が多くなった。お年寄りに子ども、ファミリー、カップル、夫婦。 ―――俺らは周りにどう見られているんだろう? やっぱり、普通に仲のいい夫婦だろうか。 そんなことを気にしても何も変わりはしないのに。ふとそんなことを考えてしまう。 「お待たせしました。カレーとオムライスです」 「カレーって……」 「うるさいわねっ!そっちもオムライスじゃない!」 「良いじゃないか……食べたくなったんだから」 そう言い争う僕たちに、従業員は苦笑を漏らしながら、それぞれの場所に頼まれた品を置く。 従業員がどこかに行ったのを確認し、あなたの作るカレーが好きだったの、と少し恥ずかしそうに下にうつむいて、照れながら言う彼女がとても可愛らしく映った。 「僕も君の作ったオムライス、好きだったよ」 僕もつられて彼女にそう告白すれば、「なら、もっと前に言ってくれればいくらでも作ったのに」と少しいじけた様子を見せて。 「……ねぇ、私たちって戻れないのかな?」 冗談だろう?と言おうとしたが止めた。……彼女の目が真剣に訴えてきていたから。 「……多分、無理だよ。次もこんなことがあったら、ダメだろう」 僕なりにしっかりと返したつもりだ。彼女がそうだよね、と言いながら、今にも泣きそうになっている姿にあえて触れないで、オムライスを口に含む。 しばらくして、「ごめんね」とトイレに行くそぶりを見せて、席を立つ彼女に「あぁ」、とそっけなく返して見送った。
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