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――――――10回目の結婚記念日。 僕たちの最後の別れは、あまりにもあっけない手を振る姿で。なぜか、彼女の泣きながら笑っている顔が脳裏に焼き付いて。 ……でも、それで良かったのかもしれない。そうでなければ、僕は流されていたかもしれないし、どうなっていたか分からないから。 ―――――――どんなにお互いを想っていても、どうにもならないことが、必ずある。 今まで何十年生きていた中で、僕がやっと気づいたことだ。
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