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「ううん、そんな顔しないでよ。びっくりしちゃったじゃない……そうね、このままだと10年にならないもんね、しましょうかデート」 難しい顔になってるよ―――クスクスと笑って指摘してそうokを出してくれた彼女に、僕もまた重ねて笑った。 「ああ、後1日の辛抱だ。場所と時刻はチケットにあるはずだから。大丈夫かい?」 「えぇ、あなたとデートって1年ぶりくらいかしら?……まぁ、どうでもいいわね。大丈夫よ」 「……良かった。じゃあ、この会話の続きは明日にしようか?今日のところは明日の楽しみのためにとっておくことにして」 「そうね。じゃあ、また明日」 そして、僕たちは静かにお互いの部屋に入った。 それから眠りにつく前に思う、いつからこのベッドは彼女の匂いがしなくなったのだろう―――と。 でも、どうだっていいのだ。明日になれば、もう自分たちは〝ベストな関係〝へと納まるのだから。
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