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あの夢で起こされるのはもう数えきれなかった。
二年前の戦闘の出来事だ。
鉄色の物体、外宇宙から飛来し突如地球上に現れた外宇宙生命体。
通称アンダーエネミーとの戦闘だった。
結局あの戦闘は自分の他に九人の仲間がいたが結局自分以外は帰ってこれなかった。
――俺一人生き残ったところで意味は無いというのに……。
胸の中で重い物がズシリと下がっていく様な感触を覚えながらルーは自身の通う学園『ヴェルナー国立軍学園』の黒色の征服を着込む。
本来は軍に所属している自分が学校に通う事はあり得なかった。
だが、二年前のあの戦闘から上官の命令で学園にて生活する事を命じられた。
命令を聞いた当初は厄介払いかあるいは捨てられたと思ったが、自身の直属の上官の性格からしてそれは考えにくかった事を加え。
「少し、君と同じ年頃の者達を見てきなさい。きっと視野が広がるはずだ」
その言葉を受け実際に生活してみれば、想像していたものの今までの生活と百八十度違う事に驚かされた。
無論、軍学校と言うだけあって訓練はあるものの本場と比べればぬるかった。
だが軍にはないものが多数あり意外と悪くはなかった。
ある意味楽しいと感じることが多かった。
そんな生活を一年過ごしてみればいつの間にか次の四月で生徒会の副会長を務める事になったのは意外だったが……。
自身が通う学園の生徒会が成績や訓練の成果で決まる実力主義で選考される事を知ってから、軍に身を置いていた自分が選ばれるのはいささか反則なのではないかと思ってしまう。
だが、規則は規則であり来月からは自分がこの学園の生徒会副会長になるのは既に決まっていた。
――……少し早いが様子を見に行くか。
征服を着終えたルーは時計を見やりながら心の中でぼやき飾り気のない自室から出る。
この部屋も生徒会に抜擢された者が使うことが許される寮の一室であり、普段は二、三人が同室で暮らすことが義務付けられているが
例外的に生徒会の人間は一人に一部屋与えられている。
どちらにしろ二、三人が暮らすための部屋に一人で居るのは少し広すぎる。
必要最低限の家具だけしか揃っていない事がさらにそれを際立たせていた。
――……関係ないか。
ふぅっ、と溜めこんだ息を吐き出し、自室のロックを掛けルーは格納庫へと向かっていく。
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