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「ただいまーっと」
「おかえりなさい、りゅう君。今日はいつもより早かったのね」
自宅の玄関の扉を開けると、蛍が居た。すっかり馴染んでやがるな……。
「あぁ、今日はバイト入ってないんだ。ちょっと用事を済ませて帰ってきた」
靴を脱ぎながら蛍にそう言った。
「……ねぇ、りゅう君。先程話していた女性の方……りゅう君の恋人にならないかしらね」
「……は?」
先程話していたって……誰かと話したっけ? んー……思い出せない。というか話した記憶が無い。……あっ、まさか。
「あれか、肥前さんのお嫁さん」
蛍が言った女性は、多分肥前さんのお嫁さんであるレコさんのことだろう。
「あのな蛍、あの人は肥前さんのお嫁さんなんだ。もう他の誰かの恋人になることはねーよ。離婚とかすれば話は別だろうけど……」
「……略奪」
「……却下」
こんな具合で毎日いつも監視されている。監視されていないときといえば、トイレに入ってる時と風呂に入ってる時と寝るときくらいか……。
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