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「あのさ、蛍……なんで監視してるわけ?」
制服から部屋着に着替えて、ベッドに腰掛けて言った。蛍は部屋のソファーに座っている。
「だって心配じゃないの。まだこれが正解かどうかわからないけれど、せっかく殺す意外の方法が見付かって、それを試そうとしているのに……」
「ははっ、それって俺が死んだらどうしようって事か?」
「……うん」
蛍は俺が事故や事件に巻き込まれて命を落とす心配をしていたらしい。まぁ、確かに日常は死と隣り合わせかもしれない。それが事故だったり事件だったり……そして身体に異常が起きたり。人間は、この世に生まれた時から死と隣り合わせなのだ。
でも今すぐ死ぬ予感はしない。なぜなら……。
「大丈夫、それは無ぇよ。だってさ、俺の子孫の蛍がこうして生きてるってことは、少なくともしばらくは死なないって事だろ?」
「……確かにそうだけど」
「大丈夫大丈夫。なんにも心配すること無ぇって。死ぬ気が全然しねーもん。それより明日、試作でコラボのあんパン作るから食ってみてくれよな。お土産で持って帰ってくるから」
俺が強引に話を変えようとすると、まだ不安が残るような表情で蛍は渋々頷いた。そして俺は一日の疲れを癒すために風呂へ向かった。
しかし次の日……表沙汰にはならないが、事件が起こってしまう。そう……命を落としかねない事件が。
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