第1章

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いつまでも真千代の死にこだわる私に愛想を尽かした夫からは、とうとう離婚を言い渡された。 下の弟妹のことを考えろって言うけれど、何人子どもを産んだって、どの子も真千代の代わりじゃない。 たった1人のお姉ちゃんじゃない。 みんなで石を積み上げれば、真千代が戻ってくるかもしれないじゃない。 どうして自分の娘なのに、そんなに冷たいの? 自分の子どもの存在を忘れなきゃいけないの? どうしてここに来ることを嫌がるの? そんな大喧嘩をしたのが、昨夜の事。 最初の数年は一緒にここへ来たけど、だんだんと、お前、変だぞと、気持ち悪いものを見る目で私を見るようになった。 明日、離婚の話し合いをすることになっている。 娘に会いたくない、あなたがおかしいのよ。
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