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「少しだけ人と過ごして、過去に帰ろうと思っています。」
「なら私と一緒に帰りませんか。」
「そうですね。あなたがいいのならお邪魔させてください。」
そんなこんなで、夢香は過去の人(妖精)を仲間にして、帰宅した。
<夢香宅、自室>
「妖精さんはなんでここに来たの?」
ベッドの上、ゴロゴロと転がる夢香の前にふわふわと浮かぶ過去の人。名はマヤと言うらしい。
「とある予言をするためです。」
「予言?」
「うん、僕たちは未来に行く能力があってね、何かが起こる年を探して、未来の人たちにそれを避けてもらう手伝いをしているんだ。」
マヤの言葉が少しほぐれたのは、夢香が堅苦しいのは苦手だと言ったからだ。敬語が外れて満足している夢香だが、はたから見ると何もないところに話しかけているようにしか見えない。痛い子と思われていたことには気づいていない。
「手伝い?なんで。」
「僕もこの星に生まれたんだ。長生きしてほしいと思ってもおかしくは無いだろう?」
「地球に?」
「人間もね。」
ここまで聞いて、夢香は何をするのか分かっていなかった。ただ、マヤがやろうとしていることは良いことなんだろうと、それだけ思った。
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