プロローグ

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――司書室の前、 彼は途方に暮れていた。 古典の課題を提出しに来ただけなのに こんな現場に出くわすとは。 教師の肩口に顔を埋める生徒――、 教師の首にしっかりと腕を回し、時折、甘い吐息を洩らす。 これは誰が見たって ――そういうことだろう。 静寂の中で水気を含んだ淫靡な音が微かに聞こえてくる。 行為に没頭しているせいかこちらの存在には全く気づいていない。
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