美春君、風呂へいく

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「ああいうこと……ああ、大浴場の?」 「うん。何度もああいうことが行われてるんだったら、普通問題にならないか?」 確か鉢合わせたのは五回くらいだ。 「まあ、全部が未遂で済んでるわけじゃないかもしれないしな」 だったら尚更――と、相川は不服そうだ。 「最後までヤられた奴もいるかもしれないけど、男にレイプされたなんてなかなか言えないから表沙汰になってないんだろ」 俺がそう言うと、相川は硬まり、目を見開いた。 「レイプって……男が男を?」 頷くと、相川の瞳が驚きで揺れた。 何かを探すように視線を宙に漂わせ、躊躇いがちに俺の目を見る。 「…………でっ、できるのか?」 「ああ、できる」 コクン、と相川の喉が小さく動いた。
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