美春君、風呂へいく

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また会話が途切れてしまったけど、特に話題も思い浮かばないし、もう相川から話題を振ってくることもない気がした。 先程の質問をしたことを後悔しているのか俯いたまま顔をまったく上げない。 右手の血はとっくに止まっていて小さな瘡蓋がぽつんとできている。 しばらく会話の方に意識が向いていたせいかそこの痒みは治まっていた。 またちらちらと盗み見るような視線を感じる。 しゃべるのが苦手なやつ……いわゆるコミュ障って呼ばれるやつってのはこんなもんなのか。 俺にはよくわからない。 相川が顔を上げる。 「あのさ、……小野寺」 「ん?」 「ありがと」 言いながら、目線を再び下げる。 心無しかほんのりと頬を染めて。 ああ、さっきからこれを言うタイミングを伺ってたのか。 なんか…… いじらしいじゃないか。 自然と頬が緩んだ。
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