美春君、風呂へいく

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《side 美春》 礼を言った後、すぐに小野寺の部屋を出た。 ――さっきの匂い。 鉄臭い、甘い匂い。 血だ。 小野寺は他に怪我はないと言った。 話している間にこっそり確認していたけど、確かに出血のあとは見当たらなかった。 ほんの小さな傷だったとか? それはない。 少しの間だったけど、あれほど濃く血の匂いが香ったんだから―― そこそこの出血があったに違いない。 もしかしたら服の下とか俺からは見えない場所だったのかもしれない。
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