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「ありがとう」
薄暗い屋敷の離れ。
不安げな和樹の手の引き
一歩中へ足を踏み入れれば――。
内装はまるきり
チャイナタウンでよく見る
妖しい占い館のようだった。
「やあ、お待ちしてました」
声のする方を見れば。
赤いライトの下
伝統的な韓服に身を包んだシウォンの姿があった。
「君ひとり?」
「ごめんなさい。兄はいつも遅れてくるので」
聞けば準備に時間がかかるんだと
オレンジ色の髪した少年は意味心に微笑んだ。
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