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ようやく兄弟がそろって
僕らの向かいに座ると。
盃が満たされ
使用人たちは深々とお辞儀して去って行った。
「まずは乾杯を」
扉が閉じられると
ここは完全な密室――。
「これがいい出会いになるように」
ジュンが杯を持ち上げると言った。
赤いライトに照らされた
兄弟の神秘的な目元。
「本当に彼を治せるか……?」
そして何より隣席の沈黙が僕を促した。
「……君たちは本当に魔法が使えるの?」
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