序章 きえるもの

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真っ青な空に真っ白い雲。そして青々と茂る山の木々。 この地域では珍しい30度を超える暑さのせいで、外を歩いている人はいない。 そんな中照りつける強い日差しをものともせず走る子どもが1人。 お気に入りの薄水色のワンピースにサンダル、白のリボンのついた麦わら帽子を被った少女は、たすきがけにした青い水筒を揺らしながらどこかへと走っていく。 三分ほどしてたどり着いたのは山の麓にある小さな神社。 その朱色の鳥居の前で少女は足を止め、乱れた息を整えてから中に入った。 山のすぐ近くということもありたくさんの木々が植わったこの神社は日陰が多い分、若干薄暗い印象がある。 手水舎や社務所を通り過ぎ、拝殿の裏へと回ると、そこには小さな門がありその向うには下へ行く石段があり、少女は迷うことなく門を開け下へと降りていった。
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