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「あ、ヨシュア」
どう報告しようか考えていた頭を上げれば、前方からティアラが駆け寄ってくるところだった。
「シモンに、ヨシュアから話があるかもって聞いたから、気になって探しちゃった」
「急ぎじゃないけど、まあいいや。いつもの部屋に行こう」
「だと思って、エヴァンがくれたお菓子を用意してもらってるんだ」
甘い物が嫌いでないヨシュアは、喜んでティアラと並んで歩き出した。
大の女嫌いだと自ら宣言しているヨシュアだが、ここウェイデルンセン王国で三人の例外ができている。
一人はファウスト王の后であるエヴァン。
優しくて少し天然なところのある彼女は、母親そのものの安心感とおおらかさを持っている。
その娘のリオンは、まだ小さい赤ん坊なので、平気かどうかは今のところは保留にしている。
もう一人はファウストとティアラの叔母にあたるレスターだ。
交易都市オアシスを取り仕切る女王気質の恐ろしい人だ。
誰に対しても遠慮と容赦がないので、女性という枠組みからはみ出て、変に意識をしないでいられる人物だ。
そして、最後の一人がティアラなのだが、こちらは微妙で特殊な位置にいる。
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