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しばらく遊んで、その肝心のお兄さんはと砂浜に目をやれば、なんと春一が寝そべるチェアの周りに3人の女の子たちがたむろっていた。
どれも気持ちばかりの面積の少ない水着を身につけたナイスバディの美女たちだ。
そしてその真ん中にいる春一の頬が赤らんでいる。
美女の顔はよく見えないが春一が頬を染めた顔だけは、鮮明に鈴音の目に飛び込んできた。
鈴音の水着姿を見ても、春一はあんな風に照れなかった。
褒めてはくれたけれど、それは家族だから、
「よくやったな」
とか、
「偉いぞ」
とか、秋哉や冬依に言うのと同じニュアンス。
あんな風に恥ずかしそうに頬を染めて、少し困ったようになんて笑ってくれなかった。
『なんで!』
思わず憤慨して、鈴音はつい浮き輪から手を離してしまう。
とたん、ズボッと頭から海中に突っ込んでしまった。
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