海へ行く

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海へ行く

「やぁって来たぜー、うーみー!」 三男の秋哉が真っ先に車のスライドドアを開けて飛び出して行った。 ここはまだ駐車場で、砂浜までギラギラした夏の太陽が直撃する熱い階段を下りなくてはいけないというのに、秋哉はすでに着ていたTシャツ勢いよく脱ぎ捨ててしまっている。 スポーツマンの高校生らしく部活で焼けた肌は無駄なく引き締まり、思わず見惚れてしまうほどの若々しさだ。 そんな背中に、 「こら秋哉、少しは荷物を持ってけ」 注意を与えるのは、この日のために借りたレンタカーを運転してきた長男の春一。 こちらは運転用にかけていたサングラスがよく似合う短髪の美男。 グラス越しの目つきも凛々しく、まるで映画の主演男優のようだ。
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