第1章

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 そんなこんなが入口としてはあるのだが、一番好きだったのはプレミアリーグだ。イングランドのサッカーはロングボール多用であったり、フィジカル重視だったりでつまらないイメージだったが、90年代テクニック的にも優れてサッカーが変わりつつあった。  名将ベンゲルがアーセナルで監督になった頃がプレミアの全盛期の走りだろうか。アーセナルは劇的に強くなった。だが、上はいた。  クラブチームとして一番人気のあるチーム。マンチェスターユナイテッド。通称マンUだ。赤い悪魔とも言われるように赤いユニフォームが象徴的だ。  かつては飛行機事故により主力級がかなり死亡というショッキングなこともあった。いわゆるミュンヘンの悲劇である。  マンUに魅了されたのは特に98-99シーズンだろう。  この年三冠を達成する。UEFAチャンピオンズリーグに国内のリーグ優勝とFAカップ優勝を加えたものだ。これは凄い成績である。  さらにチャンピオンズリーグ決勝が物凄い。カンプ・ノウの奇跡と呼ばれるものだ。バイエルンミュンヘンを劇的な逆転劇で降した優勝。  1-0でバイエルンが優勢で迎えたロスタイム。バイエルンは勝利を半ば掴みかけていた。しかしCKをマンUが得るとこから一転する。  世界最高のキッカーとも言えるベッカムからのCKを押し込み同点。さらに残りわずかのロスタイムでもう一度CKを得る。再びベッカムの右足から放たれたボールはスールシャールのシュートによりバイエルンネットに突き刺さり、地獄へと叩き落とした。  この試合は生中継で見ていて夜中に昂奮したのを覚えている。このロスタイムはマジックタイムだった。チームがゾーンに突入していたのだろう。奇跡は起きるのだ。  この時のマンUはタレントも揃っていた、しかもユースからの生え抜きが主力に成長してチームが成熟していた。  先のベッカム。スコールズやギグスにネヴィルのいわゆる「ファーギーズ・フレッジリングス(アレックス・ファーガソンの雛鳥)」と呼ばれた生え抜き選手。  そして世界的に有名ではないが、ヨークとコールのツートップ。  僕がマンUに好きになったのはこの二人がパスワークで敵DFを翻弄してゴールを決めた時だ。なんて凄い二人なんだと痺れた。そしてスコールズは強烈なミドルシュートを叩きこむしイエローカードたくさんもらって退場もいっぱいするけど素晴らしい選手だ。  
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