第1章

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 ベッカムはフリーキックが当時から凄かったけど、鮮やかにドリブルからのシュートも決めていて華麗だった。フリーキックのイメージがいつからか付きすぎてファンはもちろん本人さえその呪縛にかかってしまったのではないか。本当はもっとほかのこともレベルの高い選手なのだ。受け手にも出し手にもなれる。もっと凄い選手になれたのにとあれだけ凄いけど残念にさえ思うのだ。  ギグスはドリブルが特に素晴らしかった。ほかもレベルが高くワールドクラスの選手だ。彼はウェールズ出身であるためにイングランド代表ではなくウェールズ代表の道を選ぶ。イングランド代表になれるだけのレベルは優にあったが資格の問題や故郷への愛などがあり故郷のチームを選ぶ。 『何度過去にさかのぼったとしてもウェールズ代表を選ぶだろう』  代表のことを問われて彼はこう答えた。W杯には出場できなかったがそれでも世界最高の選手の一人だ。W杯で見たい選手だった。もし。もしイングランド代表になっていればイングランドはもう一つ上のレベルだった。W杯を狙えるチームになっていただろう。  この頃のプレミアではマイケル・オーウェンもデビューしていて彼の才能の煌めきもすごかった。そして代表に選ばれて18歳で出場した1998W杯で見せたドリブルからのゴールは今も鮮やかに甦るベストゴールの一つだ。  このイングランド対アルゼンチンはなかなか見ごたえがあった。PKでお互いに1点目を取り合う展開。きな臭さが出ていた。そしてオーウェンのスーパーゴールに衝撃を受け、ベッカムの若さゆえの過ちと言ってしまえばそれまでだがいろいろありながらの一発レッドでの退場。そしてPK戦でのイングランド敗退。  
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